EPISODE 01

工場を変える!
ロボット工場長の働く場所

2016. 06. 20

グッドスマイルカンパニー15周年を記念し、鳥取県倉吉市にある楽月工場で働くこととなったロボット工場長。
そんな工場長が働く楽月工場とは一体どんなところなんでしょうか。コアなファンの方なら知ってらっしゃると思いますが、改めてご紹介します。

楽月工場(愛称:ラッキーファクトリー)は、2014年12月に倉吉市に竣工したグッドスマイルカンパニー(グッスマ)初の国内フィギュア工場。竣工式の模様はニコニコ生放送で放送され、鳥取県知事の平井伸治さん、倉吉市市長の石田耕太郎さん、声優の下田麻美さん、MCとして白石稔さんらなどが出演し話題となりました。

国内フィギア工場 施工記念生放送「グッスマ 国内フィギュア工場 竣工記念放送」にてタイムシフト試聴が可能。
http://blog.nicovideo.jp/niconews/ni050092.html

成型や組立てが比較的シンプルな一般的な玩具と違い、フィギュアの製造工程は非常に高度で、量産過程に移る前の金型や塗装治具の開発などにもコストがかかります。現在、グッスマは中国に生産工場を構えていますが、生産性や雇用の面から新たな工場を国内である倉吉市に建てることにしたのです。

それでは、実際にどのようにしてフィギュアが作られているのかを、楽月工場の内部とともに紹介しましょう。

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こちらはプラスチックを金型に流し込み成型品を作る「射出成型」を行っている様子。成型機から取り出されたパーツたちが、全てのフィギュアの構成要素となります。

取り出されたパーツは、はじめに表面処理を行います。成形されたばかりのパーツは金型の合わせ跡が毛羽立っているので、研磨してなめらかにする必要があります。

次に洗浄工程です。パーツに付着した埃だけでなく皮脂も落とすことで、この後の塗装工程のクオリティがグッと上がります。ここを怠ると塗装に埃が巻き込まれたり、塗膜が定着せず色剥がれが起きやすくなります。料理の下ごしらえと同じで、見えない所こそ手を抜けません。丁寧な仕事をすることが良い商品を作る第一歩です。

次にエアブラシで塗装されます。この工程はほとんどが人の手によって行われており、エアブラシの特徴であるグラデーション塗装もここで行われます。

また、仕上がりが同じクオリティになるようトレーニングも行われており、中には初めてエアブラシに触れる人もいるとのこと。

エアブラシ塗装を終えると次は手塗り。レタッチや細やかな彩色を行います。

次はパッド印刷。シリコンパッドに図柄を転写し、それをパーツに再度転写することで立体的なパーツへのプリントが可能です。瞳のプリントもこの工程で行われます。

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機械作業のため一見簡単に見えますが、プリント位置や傾斜具合などを完璧に合わせるまでは、人の手で何度も微調整を繰り返します。

ねんどろいどの眉毛部分をパッド印刷でプリントしている様子。全ての製品で同じ表情を作るためには、人と機械のハイブリッドな能力は欠かせません。

そして最後は組立て、接着、梱包工程。塗装されたパーツを組み上げブリスターにパッケージングする工程です。大事な色移り防止用のフィルムもここで挟まれます。

工場内にはイラストが描かれたホワイトボードや印象的なグラフィックアートなど、グッスマらしい遊び心を感じるものも。グラフィックアートは安藝社長の旧友であるアメリカ人アーティストDAVID CHOE(デヴィッド・チョー)さんが描いてくれました。

フィギュアはこうした多くの工程を経て私たちの元へ届けられます。もちろん、ここに至るまでにも企画立案や原型、金型製作など更に多くの工程が存在しますが、もっと興味のある方はフィギュアの制作工程をえがいた特設サイトもあわせてご覧下さい。http://special.goodsmile.info/goodsmileworks/

楽月工場はメイド・イン・ジャパンというだけでなく、長期的かつ安定した労働環境の提供や、倉吉市の雇用促進などにも応えていきたいと考えています。また、既存の技術に囚われずもっと自由にフィギュアを表現するための技術開発にも余念がありません。金型製作のフルデータ化など、既にトライ中の新技術もあります。

フィギュアのイノベーションを狙うなかで、ロボット工場長の採用が制作現場にどのような化学変化をもたらすのか。これからの楽月工場を、ぜひ楽しみにしていて下さいね!

プロジェクトに関する特別インタビューなど、追加情報も随時公開!...